48
私に何も言わずにジェウォンがいなくなった。
なぜだか私の心にぽっかりと穴が開いた。
窓辺の花が枯れている
冷蔵庫のトマトジュースがきれている
そして・・・今日も朝寝坊しちゃった
いなくなってわかるジェウォンの細かい気配り
そこへ新しい付き人のミナから電話が入った
「菜緒さん・・・今日は、1時から雑誌の取材が3本入ってます。その後夕方4時からレコーディング・・・なので、10時にサロンドユキのユキ先生を抑えておきました。9時にはお迎えに上がりますね。・・・それとトマトジュース足りてますか? ん?その感じじゃ今起きたばかりですね?・・・明日から必ずモーニングコールするようにします。あ、そうだ・・・窓辺のお花、お水上げてますか?・・・」
きっとジェウォンだ・・・いなくなったけど、今でもそばにいる。
急にいなくなったジェウォンにとまどって・・・そしてすねていたけど・・・会いたい・・・無性に声が聞きたくなって電話した
「お兄ちゃん? 元気?」
「菜緒?どうした?・・・なにかあったのか?」
「何もないよ・・・お兄ちゃんはいつも私の心配ばかり・・・そうか、今まで私が心配ばかりかけていたのか」
「どうした?今日の菜緒はいつもの菜緒らしくないぞ? そうだ、ミナはどうだ? いい子だろ?」
「うん、とてもよく気がつくわ・・・ところで、仕事はうまくいってるの?」
「そうだな、まだまだ新入社員だから・・・でも、得意な分野だからやりがいがある・・・」
「そうね・・・お兄ちゃん、頭いいもんね・・・ね、ときどき電話くれる?」
「あぁ・・・菜緒もつらいことがあったらいつでも電話してこいよ・・・おれは、今でも菜緒のお兄ちゃんだから」
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。